フルート教本って?オススメ・人気の教本一覧
【初心者・大人・子ども・独学等】をご紹介
フルート教本(きょうほん)とは何気な口にしているものの、どんなものなのか正確には理解していないことも多いでしょう。今日はフルート教本について、またフルートを習う方のレベルや状況にあわせて、どんな教本を、どんな形で使うべきかをご紹介いたします。
フルート教本(きょうほん)って?
フルートの教本の「教本」とは?「教科書」と誤解してしまうこともありますが、「教則本」のことを指します。フルートの「教則本」は、フルートの演奏技術を、初学者、初心者の方が段階的に学び、身につけられ、上達するように編纂された指導内容及び楽譜のテキストのことです。
なぜ、フルートの教本が必要なの?
フルートの演奏には、頭で様々な知識を、身体で様々な技術を身につけなくてはなりません。ただし、演奏の技術については、正しい形、方法、順序で身につけない場合、音を鳴らすことだけに偏り、弾き方に癖がついてしまうことがあります。一度癖がつくと治すのが大変なばかりか、より難しい曲が演奏できないといったことになりえます。それを防ぐために、正しい方法、手順で演奏技術を学べる、身につけることが出来るフルート教本が必要なのです。
フルート教本の種類と選び方
【1】 対象者・年齢
【2】独学でも分かるか
【3】曲の親しみやすさ・楽しさ
【1】教本の「対象者・年齢」は?
まずフルート教本には、対象者の年齢に応じて大きく2つに分けられます。「子供、お子さん用のフルート教本」と「大人用のフルート教本」です。
「子供、お子さん用のフルート教本」は、一見絵本のような表紙で、中も優しい絵柄や挿絵が入っていたりお子さんでも親しみやすい物であると同時に、フルート講師・先生による指導やサポートを前提として作られていることが多いです。それに対して「大人用のフルート教本」は、フルート講師や先生による指導やサポートのもと使用することができるものと、独学でも使用できるものがあります。
【2】教本は独学用か?指導が必要か?
特に大人の方の場合、お子さんと異なり、ある程度、読書や学習習慣があるため、フルートや楽器の教本であっても、ご自身でよみすすめていくことは不可能ではありません。また独学者向けの教本も出版されています。ただし、独学では、お手本となる講師の演奏の指の動きを見ることができない、またご自身の指を動きが適切かを判断、指導や正しくない癖がつかないように修正してくれる人がいない点が、フルートの上達の壁となります。そのためDVDや動画などが付属しているものを用意すると良いでしょう。
【3】曲の親しみやすさ・楽しさ
フルート教本には、諸学者のレベルに合わせた練習、課題の曲が掲載されています。それを練習することで、弾き方が身につくことになりますが、曲の好みや楽しさは大きく異なります。有名、伝統的なバイエルやブルクミュラーなどの作曲家の楽曲を主体とする教本から、ポピュラーな曲が多く含まれているものまで様々。幼稚園教諭や先生などを目指す予定の方は伝統的なものが必須ですが、それ以外、特に趣味として大人の方が学ぶ場合には、自分が好きな、弾いて退屈しない楽曲が掲載されているものを選ぶのも大切です。
フルート一覧
フルートをはじめよう / ヤマハムックシリーズ
フルート初心者の方にも分かりやすいように、フルートの組み立て方、持ち方、そして、吹き方へと、丁寧に解説しつつ、DVDでは映像をもとに確認をすることができます。また内容の特徴として、まとまった練習時間を作ることが出来ない方でも無理なく取り組めるよう、15分、30分といった時間で区切った練習メニューをこなしつつ、フルートが吹けるようになります。また楽器が老けない時でも、出来る練習法などの紹介もあります。
■目次
<PRE LESSON>演奏する、その前に
・フルートのキホン
・演奏に必要なもの
・選ぶコツ
・楽器の組み立てかた
・楽器の持ちかた
・演奏する姿勢
・楽器のしまいかた
<LESSON 1>吹いてみよう![基本編]
・アンブシュア
・ロングトーン
・チューニング
・タンギング
・ビブラート
<LESSON 2>毎日の練習[初級15分編]
・15min,week 1
・15min,week 2
・15min,week 3
・15min,week 4
・楽器が吹けない時の練習 1
<LESSON 3>毎日の練習[初級30分編]
・30min,week 1
・30min,week 2
・30min,week 3
・30min,week 4
・楽器が吹けない時の練習 2
<LESSON 4>毎日の練習[初級45分編&中級~上級]
・45min,week 1
・45min,week 2
・45min,week 3
・45min,week 4
・中級~上級レッスン
・楽器が吹けない時+α
・覚えておきたい!練習のコツ
・人前で演奏する
<LESSON 5>演奏に必要な資料
・楽典
・スケール(音階)
・クロマティック・スケール(半音階)
・ハーモニクス
・アルペジオ(分散和音)
・セブンス・コード
・運指表
・おわりに
アルテス フルート奏法 第一巻 植村泰一 訳・解説 / アンリー アルテス シンフォニア
「アルテス」とは、1826年フランスのルーアンに生まれパリの音楽院でフルートを学んだ後パリオペラのフルーティスト、音楽院フルートの教授を務めた、この教則本の著者ジョセフ=アンリ・アルテスのこと。比田井版のアルテス フルート教本は、解説の大半が比田井氏のオリジナルで、原著とは異なりますが、こちらは、植村氏が忠実にアルテスのオリジナルを訳し、原著を理解するため著者の訳注、解説を加えているのが特徴で、フルートの初心者には特におすすめです。また上級の人にとっても素晴らしい教則本となるでしょう。特に、第一巻は、フルートの持ち方から、唇の形や頤の使い方など、人に聞きづらい、自分では気づかない初歩的なポイントについて分かりますよ。
1:訳者まえがき 植村泰一
2:まえがき
3:■予備知識
4:■第一章 音を表わす符号およびその符号が示す様々な音の長さについて
5:■第二章 五線上の音符の位置について
6:■第三章 休止を表わす符号およびその符号と音符との長さの関係について
7:■第四章 拍子について
:■第五章 速度標語
9:■第六章 音の名称、音のつながり、全音階と半音階、音階すなわち音組織
10:■第七章 音部記号とその用法
:■第八章 変化記号、臨時記号、調号
12:■第九章 反復記号
13:■フルートの形状、各部の名称およびその組み立て方
14:■フルートの持ち方
15:■フルートを演奏する時の姿勢
16:■音の出し方
17:第1課 2拍子、全音符、全休符、C‐durの音階の運指
1:中音域と低音域、2拍子、2分の2拍子
19:全音符、2分音符、2分休符
20:第2課 2拍子、4分の2拍子、2分音符、4分音符、4分休符
21:第3課 4拍子、4分の4拍子、付点2分音符
22:第4課 3拍子、4分の3拍子、8分音符、付点4分音符
23:4分休符と8分休符
24:第5課 低音
25:第6課 音の均質性と音程の正確さについて、8分の6拍子、16分音符
26:第7課 8分の3拍子、3連音、シンコペーション
27:第8課 C‐dur の音階とアルペッジョ、3度の音階、反復記号
:■第十章 音程、その基本的名称、全音階と半音階、音程の転回、音程のいろいろな性質
29:全音階的半音と半音階的半音、すべての音程の転回、単音程と複音程
30:■第十一章 全音階の構成、調、調号の位置
31:第9課 G‐durの音階とアルペッジョ
32:第10課 D‐durの音階とアルペッジョ
33:第11課 F‐durの音階とアルペッジョ
34:第12課 B‐durの音階とアルペッジョ
35:第13課 A‐durの音階とアルペッジョ
36:第14課 Es‐durの音階とアルペッジョ、8分の9拍子
37:第15課 CとAの半音階の練習
3:■第十二章 調、音階の各音の名称、関係調、異名同音、エンハーモニック転換
39:フルートの全音域にわたる基本運指表
40:♯のついたすべての長調の音階、アルペッジョ、およびAとCの半音階
41:♭のついたすべての長調のスケール、アルペジオ、およびAとCの半音階
42:アルテスの作品
43:参考文献
44:■訳者解説
45:1.楽器の選び方について
46:2.楽器の取り扱い方について
47:3.速度標語について
4:4.メトロノームを使って練習すること
49:5.音名について
50:6.フルート各部のつなぎ方
51:7.フルートの持ち方
52:8.唇の歌口へのあて方
53:9.フルートの三点支持法
54:10.姿勢について
55:11.唇の作り方(アンブシュール)
56:12.タンギングについて
57:13.呼吸法について
5:14.正しい指の形と正確な運指
59:15.楽曲の構造について
60:16.オクターヴの演奏について
61:17.音階について
アルテ フルート教則本 1 比田井訳・解説/ 日本フルートクラブ出版
既にご紹介した、アルテスの植村版と同じ、アルテスが原書ではありますが、翻訳者が異なる 比田井訳のアルテのフルート教本です。日本においては長きに渡って、比田井版が指導用に多く用いられ、現在でも多数の生徒さんが使っています。内容については、アルテスの植村版がオリジナルに忠実なのに対しこちらは、比田井氏の解釈が多い点が異なります。楽典などは原書から割愛してある箇所もあります。第 1 巻は,演奏法より音の基礎的な力の習得を重視。それを訓練的に習得することができるという利点があることがわかる。また,第 2 巻では,特に演奏技術の習得に重点が置かれています。その一方、学習内容がやや訓練的で、初心者にとっては少し単調に感じてしまうことから、好きな楽曲の楽譜をモチベーションを保ち進めると良いでしょう。
フルート教本 〔導入編〕 (管楽器メソード・シリーズ)
はじめてフルートを手にする方のための入門書で、初心者が学びやすい教本となっています。お子さんの導入レッスンにも使用されています。イメージを掴みやすい、良く知られた曲を用いて、演奏に集中しやすくしながら、楽器上達のために必要不可欠で、しばしば忘れられがちな譜読みにも十分配慮して作られています。こちらの教本を終えれば、さらなるテクニックを学ぶための充分な基礎固めができますよ。
【目次】
一番星みつけた/メリーさんのひつじ/ちょうちょう/すてきなタバコ/きらきら星/チューリップ/うさぎ/月の光に/ガヴォット/ロンドン橋/カッコウ/オーラ・リー/ちょうちょう/行進/ゆっくり/かえるの合唱/アンダンテ/きらきら星/ミュゼット/フレール・ジャック/ちょうちょう/たなばたさま/アヴィニヨンの橋で/春の小川/大きな栗の木の下で/こぎつね/荒城の月/新しいメヌエット/さくらさくら/ドイツ舞曲/眠りの精/サラバンド/海/ぶんぶんぶん/ふじの山/コンドルは飛んで行く/大きな古時計/エーデルワイス/浜千鳥/こもりうた(シューベルト)/野ばら(ヴェルナー)/元気よく/イギリス国歌/エコセーズ(ベートーベン)/きよしこの夜/よろこびの歌/花/ローレライ/イタリアのメヌエット/ワルツ(シューベルト)/ワルツ(シューベルト)/浜辺の歌/虹のかなたに/威風堂々
トレバーワイ 初級用フルート教本 上 音楽之友社
四半世紀にわたって愛されてきた『トレバー・ワイ 初級用フルート教本 上』。英国生まれ、ロンドンのギルドホール音楽院教授、マンチェスターのロイヤル・ノーザン音楽大学で21年間教授を務め、英国フルート協会(BFS)の設立者名指導者として知られるトレヴァー・ワイ。フルートの構え方から、徐々に音域を広げていき、様々な調で演奏できるようになるまで、体系的に組まれたフルート入門書。低音域からはじめ、全音域で良い音質をつくる基礎を身につける、というのが特徴である。また、豊富に掲載された楽曲は、ソロで、デュエットで、ピアノやギターとともに(ピアノ伴奏譜は別売)、演奏できるようになっている。はじめてフルートを手にした人にも、分かりやすく、楽しく学べる1冊。安定した音づくりに力点が置かれており、基礎的な技術がじっくりと着実に身につきます。初心者向けですが、それ以上のレベルでも、音や息づかい、譜面読みなどにやや不安があるという方にはとてもおすすめだと思います。新たに独習用としても復習用としても使えるCDがついた。
付属CDには、本書の掲載曲の、トレヴァー・ワイ自身によるフルート模範演奏、ピアノ伴奏のみの2種類を収録。
トレバー・ワイ いちばんはじめのフルート教本
フルートとその演奏方に関することすべてがわかる
こちらは独習者向けのフルート教本です。ただし、あくまでも正教材を補うために使う副教材で、正教材はトレバーワイ以外のものでも良く、正教材の理解を深め、練習の精度を上げるのに役立ちます。内容としては、トレバーワイのフルート教本のまとめ的な内容に近く、フルート演奏には初学者は何を学ばなくてはならないのか、必要な知識や技術を全体的に俯瞰するためにも役立ちます。その一方、細かい点については、別に参照したり、講師に質問して解消する必要がある箇所もあります。頭を整理したり、気分転換にもなるため、一度全て読んでみると良いでしょう。
フルート 初歩の初歩入門
フルート初心者のための優しい教本です。フルートの指使いや吹き方、姿勢などイロハが分かる知識はもちろん、練習曲には、初心者の方たちに人気の高い曲の有名なフレーズを優しく吹きやすい形にして使用しています。音符にはドレミのルビをふってあり、楽譜が読み慣れないていない方でも安心。音階を徐々に増やしていくように運指を覚えていく構成にもなっているので、着実に、知識と技術を身につけながら、まず吹いてみる、楽しさを知るためにも役立ちますよ。
ドレミファ音名入りで楽々!! こどもの歌で始めるフルート教本
フルートを初めて始める小学生以上のお子様を対象としたフルート教本です。レッスンでの使用はもちろん、親御さんのサポートも必要ですが、独習にも使用することが出来ます。導入部では同じ曲を音域を変えた2パターンで演奏することにより、効果的にフルートの運指に慣れていきます。お子様だけではなく、大人の方でも優しい曲から始めることができ、挫折もなく導入をスタートすることができますよ。
【収載曲】
月の光に/オーラ・リー/バイエル8番/ぶんぶんぶん/家路/ちょうちょう/聖者の行進/こぎつね/春の小川/野ばら/アマリリス/草競馬/アメイジング・グレース/天国と地獄/四季より“春”/アイネ・クライネ・ナハトムジークより 第2楽章/四季の歌/誰も寝てはならぬ/故郷の人々/フーガ ト短調/愛のロマンス/黒い瞳/茶色のこびん/荒野のはてに/赤とんぼ/故郷/荒城の月/見上げてごらん夜の星を/少年時代/金婚式/シチリアーノ/主よ、人の望みの喜びよ/パッヘルベルのカノン/全33曲
フルートの教本は自分で選ぶ?講師や先生に選んでもらった方が良い?
フルートの教本や初学者向けの書籍は多数出版されておりますが、教本は誰が選ぶべきか?とお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。答えは、簡単です。悩む、分からないのならフルート教室、その講師に選んでもらいましょう。まず、フルートを習う年齢や目的によって、どういった演奏技術や音楽の知識を身につけるべきかが異なります。
経験豊富な講師の場合は、その点を踏まえ、レベルを確認した上でピッタリの教本を選んでくれます。ただし、教室や先生によって、指導方針や経験が異なることから、指導内容については教室差があります。その点の前提知識を踏まえて、希望を伝えつつ、信頼する先生とご相談の上、決めて頂けると良いでしょう。